どういう時に顧客は離れる?リピーター獲得のために知っておきたい「不満足」の正体

「商品には自信がある」
「サービスの質も悪くないはず」
「お客様にも、一定の満足はしてもらえていると思う」

それなのに、なぜかリピーターが増えない。
飲食店、小売店、宿泊業、サービス業など、店舗型ビジネスを運営している経営者の方から、このような悩みを聞くことがあります。
リピーター増加のためには、顧客満足を高めることが大切です。これは間違いありません。お客様が「期待していたより良かった」と感じれば、再来店や再購入につながりやすくなります。
しかし、ここで見落としてはいけないことがあります。
それは、顧客満足を高めることと同じくらい、顧客不満足を発生させないことが重要だということです。
どれだけ良い商品を提供していても、どれだけ接客が丁寧でも、たった一つの不満が原因で、お客様は静かに離れていきます。

 

目次

01|リピーター獲得に必要なのは「満足」だけではない

02|顧客は「満足したこと」より「嫌だったこと」を強く覚えている

03|不満を感じた顧客の多くは、何も言わずに去っていく

04|航空会社時代に学んだ「満足を足す」より「不満足を潰す」考え方

05|顧客満足を高める前に、顧客不満足を減らす

06|まとめ:顧客が離れる理由は「大きな不満」だけではない

 

リピーター獲得に必要なのは「満足」だけではない

リピーターを増やすためには、お客様の期待値を超えることが重要です。
たとえば、飲食店であれば
「思っていたより料理が美味しかった」
「接客が感じよかった」
「価格以上の価値を感じた」といった体験が、顧客満足につながります。
つまり、顧客満足とは簡単に言えば、お客様が事前に期待していた価値を、実際の体験が上回った状態です。

一方で、お客様の期待値を下回ったときに生まれるのが、顧客不満足です。
「料理は美味しかったけれど、提供が遅すぎた」
「お店の雰囲気はいいのに店員が無愛想だった」
「価格は安かったけれど、清潔感に不安があった」
このような体験があると、お客様の中には小さな違和感が残ります。そして、その違和感が一定ラインを超えた瞬間に、「次は別のお店にしよう」という判断につながります。


顧客は「満足したこと」より「嫌だったこと」を強く覚えている

人は、良かったことよりも嫌だったことを強く覚えているものです。
たとえば、安くて美味しい定食屋さんがあったとします。味も良い。価格も手頃。店員さんも感じが良い。
でも、食事中に店内でカサカサ這い回る「あの黒い虫」を見てしまったらどうでしょうか。
おそらく多くの人が、「味は美味しかったけど、もう行かないかな」と感じるはずです。
このとき、お客様は料理の味や価格に満足していなかったわけではありません。むしろ、満足していたかもしれません。それでも、清潔感への不安という強い不満足が、再来店の意思を上回ってしまうのです。
これは極端な例に見えるかもしれませんが、ビジネスの現場では同じようなことが日々起きています。
商品力はある。接客も悪くない。価格も妥当。
それでも、どこかの接点でお客様の期待を下回っている。
その小さな不満が、リピーター獲得を妨げている可能性があります。


不満を感じた顧客の多くは、何も言わずに去っていく

経営者にとって怖いのは、不満を感じたお客様の多くが、その不満を直接伝えてくれないことです。
「クレームが少ないから大丈夫」
「悪い口コミが少ないから問題ない」
「お客様から特に不満は聞いていない」
そう考えてしまいがちですが、実際には、不満を持ったお客様の多くは声を上げずに離れていきます。

「グッドマンの法則」と呼ばれる、顧客へのクレーム対応と再購入率の関係を表した法則では、不満を持った顧客のうち、90%の人が苦情を申し立てず、無言で去り再購入しない、という内容も示されています。

つまり、クレームは氷山の一角です。
実際に声として届いている不満の裏側には、声になっていない不満がたくさん隠れている可能性があります。
お客様は、わざわざ時間を使って不満を伝えてくれるとは限りません。特に、飲食店や小売店、宿泊施設、サービス業のように選択肢が多い業種では、不満を伝えるよりも「次から別の店を選ぶ」方が簡単です。
だからこそ、リピーター増加を目指す企業は、表に出ているクレームだけでなく、声になっていない不満に目を向ける必要があります。


航空会社時代に学んだ「満足を足す」より「不満足を潰す」考え方

私自身、航空会社(LCC)に勤めていた頃、顧客体験の改善に取り組んだ経験があります。
当時、LCCはまだ認知度が高くなく、利用促進が大きな課題でした。一方で、他の航空会社と同じようにサービスを増やして顧客満足を高めようとすると、原価が上がり、LCCにとって最大の価値である「手頃な航空運賃」を失ってしまいます。
そこで重視したのが、サービスを増やすことではなく、顧客体験を損なう“不満足”をカスタマージャーニーの中で明らかにし、それを一つずつ潰していくことでした。

カスタマージャーニーとは、お客様が商品やサービスを知り、比較し、購入し、利用し、その後に再利用するまでの一連の流れのことです。難しく言えば顧客体験の全体像ですが、簡単に言えば「お客様がどの場面で何を感じているかを時系列で見る考え方」です。

この取り組みは、サービスを拡充するのではなく、顧客体験を毀損する不満足を明らかにして潰していくことで、「期待していたよりも良かった」という顧客満足をつくる、という考え方です。
これは、中小企業や店舗型ビジネスにもそのまま応用できます。
リピーターを増やしたいからといって、必ずしも新しいサービスを足す必要はありません。
利益を増やしたいからといって、必ずしも大きな投資が必要なわけでもありません。
むしろ、まず見るべきなのは、今ある顧客体験の中で、お客様が離れてしまう原因になっている不満や痛点です。


顧客満足を高める前に、顧客不満足を減らす

多くの企業は、顧客満足を高めようとして新しい施策を考えます。
特典を増やす。
接客を強化する。
キャンペーンを打つ。
新商品を開発する。
値引きをする。
もちろん、これらが有効な場合もあります。
しかし、顧客が離れている本当の理由が「不満」にある場合、満足を足しても成果にはつながりにくいのです。

たとえば、料理の提供が遅いことに不満を感じている飲食店で、ポイントカードを導入しても、根本的な解決にはなりません。
リピーター獲得の第一歩は、顧客満足を追求することではなく、顧客が離れる理由を正しく理解することです。
そして、その理由の多くは、企業側が見えていない小さな不満の中に隠れています。


まとめ:顧客が離れる理由は「大きな不満」だけではない

顧客は、必ずしも大きなクレームをきっかけに離れるわけではありません。
期待していた価値が得られなかった。
少し不快だった。
説明が足りなかった。
言うほどではないけれど、次は別でいいと思った。
このような小さな不満が、リピーター獲得を妨げています。
そして、多くのお客様はその不満をわざわざ伝えてくれません。
何も言わず、静かに離れていきます。

だからこそ、
リピーター増加や利益改善を目指す企業にとって重要なのは、
表面的な顧客満足度だけを見ることではありません。
お客様がどこで期待値を下回ったのか。
どの接点で不安や不快感を感じたのか。
どの不満が再来店・再購入を妨げているのか。
これらを丁寧に見つけ、改善していくことが、リピーター獲得と利益増加につながります。


顧客の声を、リピーター増加と利益改善につなげるために

Lino Bloomでは、口コミ、アンケート、クレーム、問い合わせ内容などの「顧客の声」を分析し、リピーター獲得、LTV向上、解約率低下、粗利改善などにつなげる「顧客の声を活かした利益最大化支援」を行っています。

顧客満足を何となくの感覚で終わらせず、事業改善と利益向上につなげたい経営者の方は、ぜひ一度ご相談ください。


この記事を書いた人✒️

株式会社Lino Bloom 代表取締役
野村 昭良

航空会社やQRコード決済会社でCXやマーケティング責任者として、お客様の声と徹底的に向き合ってリピート顧客の増加やサービス改善を主導。
現在は、株式会社Lino Bloomを設立し、「顧客の声を活かした利益最大化支援」をBtoC企業を中心に提供している。

野村 昭良

航空会社やQRコード決済会社でCXやマーケティング責任者として、お客様の声と徹底的に向き合ってリピート顧客の増加やサービス改善を主導。
現在は、株式会社Lino Bloomを設立し、「顧客の声を活かした利益最大化支援」をBtoC企業を中心に提供している。

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