現場の頑張りが会社の足を引っ張る!?
顧客の不満をその場で解消してくれる優秀な現場スタッフは、会社にとって宝です。しかし、重要なのは「その後」です。 現場の頑張りによって隠れてしまった顧客の不満(課題)を経営陣が正しく把握し、根本から解決しなければ、いつか現場は疲弊し、顧客も離れていってしまいます。
本記事では、現場を疲弊させずに会社のサービス品質を底上げするためのポイントや、経営主導で行うべき顧客満足向上の仕組みづくりについて詳しく解説します。
目次
01|顧客の不満を“その場しのぎ”で終わらせないために経営者が考えるべきこと
02|顧客の不満は、現場だけで止めてはいけない
03|現場の頑張りが「問題を見えなくする」ことがある
04|大切なのは「どんな不満があったのか」が経営に届くこと
05|不満の原因は、経営主導で解決する
06|経営者が作るべき「顧客の声に関わる仕組み」
07|顧客の声は、経営者が見るべき「利益改善の入口」
顧客の不満を“その場しのぎ”で終わらせないために経営者が考えるべきこと
お客様から不満の声が上がったとき、多くの現場スタッフは、目の前のお客様のために何とかしようと努力します。
飲食店で料理の提供が遅れたとき、スタッフが急いで厨房に確認し、お詫びをして、ドリンクをサービスする。
宿泊施設で案内に行き違いがあったとき、フロントスタッフが部屋を調整したり、代替案を提案したりする。
こうした現場の対応によって、お客様の不満がその場で解消されることは少なくありません。
むしろ、現場スタッフの機転や誠実な対応によって、「最初は不満だったけれど、最後は気持ちよく帰れた」というケースもあるでしょう。
これは非常に素晴らしいことです。
しかし、経営者が注意しなければならないのは、ここからです。
現場スタッフが頑張って不満を解決してくれる会社ほど、実は経営課題が見えにくくなることがあります。
なぜなら、お客様の不満が現場で一時的に解決されることで、会社としては「大きな問題にならなかった」と見えてしまうからです。
しかし、本当に重要なのは、その不満が起きた後に、会社として何をするかです。
顧客の不満は、現場だけで止めてはいけない
お客様の不満が発生したときに大切なのは、単にその場で謝ることや、個別対応をすることだけではありません。
もちろん、目の前のお客様に誠実に向き合うことは大前提です。
しかし、それだけで終わってしまうと、同じような不満はまた別のお客様にも起こります。
例えば、ある飲食店で「注文してから料理が出てくるまでが遅い」という不満があったとします。
その日、スタッフが丁寧にお詫びをして、お客様に納得していただけたとします。
この対応自体は良い対応です。
しかし、その不満の原因が「ピークタイムの人員配置に無理があること」や「厨房とホールの連携がうまくいっていないこと」にあるなら、現場スタッフの謝罪だけでは根本的な解決にはなりません。
別の日に、別のお客様が同じ不満を感じる可能性があります。
そして、そのたびに現場スタッフが謝り、調整し、何とか乗り切る。
これが続くと、現場は少しずつ疲弊していきます。
お客様の不満を現場だけで処理している状態は、言い換えると、会社の仕組みの問題を現場の頑張りで埋めている状態です。
現場の頑張りが「問題を見えなくする」ことがある
現場スタッフが優秀であればあるほど、お客様の不満は表面化しにくくなります。
スタッフがうまく対応してくれるため、クレームとして大きくならない。
お客様も最終的には納得して帰ってくれる。
そのため、経営者から見ると「特に問題は起きていない」ように見えることがあります。
しかし、実際には現場の中で小さな不満が何度も発生しているかもしれません。
スタッフが毎回気をつかいながら対応しているかもしれません。
本来なら仕組みで解決すべき問題を、個人の努力や経験でカバーしているかもしれません。
これは一見すると良い状態に見えますが、長期的には危険です。
なぜなら、問題が経営に届かないまま、現場だけに負担が積み上がっていくからです。
そしてある日、スタッフが疲弊し、離職につながったり、対応品質が落ちたりします。
その結果、お客様の不満が一気に表面化することもあります。
つまり、現場の頑張りは会社にとって大切な力である一方で、その頑張りに頼りすぎると、会社の改善を遅らせてしまうことがあるのです。
大切なのは「どんな不満があったのか」が経営に届くこと
顧客の不満を会社の成長につなげるために、まず必要なのは、不満の内容が経営にきちんと届く仕組みです。
ここでいう「経営に届く」とは、単に店長や責任者が知っているという意味ではありません。
経営者や経営陣が、現場でどのような不満が起きているのかを把握し、事業改善の材料として活用できる状態を指します。
例えば、次のような情報が見えるようになっているかが重要です。
・どのような不満が多いのか
・どの時間帯や曜日に発生しやすいのか
・どの商品、サービス、プランに関係しているのか
・どの店舗、どの部門で起きているのか
・現場スタッフはどのように対応しているのか
・その不満は一度きりなのか、繰り返し起きているのか
こうした情報が集まると、顧客の不満は単なるクレームではなく、経営改善のヒントになります。
反対に、この情報が現場で止まっていると、経営者は本当の課題に気づくことができません。
不満の原因は、経営主導で解決する
顧客の不満が経営に届いたら、次に必要なのは原因を根本的に解決することです。
ここで大切なのは、現場スタッフに「もっと気をつけて」と伝えるだけで終わらせないことです。
もちろん、接客品質や説明不足など、現場の対応改善が必要なケースもあります。
しかし、顧客の不満の多くは、現場スタッフ個人の問題ではなく、会社の仕組みや設計に原因があります。
例えば、次のようなケースです。
料理の提供が遅い原因が、スタッフの動きではなく、そもそものオペレーション設計にある。
商品の説明不足が起きる原因が、スタッフの知識不足ではなく、教育資料やマニュアルが整備されていないことにある。
予約ミスが起きる原因が、スタッフの確認不足ではなく、予約管理システムや業務フローが複雑すぎることにある。
このような場合、現場に注意するだけでは改善しません。
経営者が関わり、仕組みそのものを見直す必要があります。
人員配置、業務フロー、教育体制、商品設計、価格設定、予約導線、情報共有の方法。
こうした会社全体の仕組みに関わる部分は、現場だけでは変えられません。
だからこそ、顧客の不満は経営者が関わるべきテーマなのです。
経営者が作るべき「顧客の声に関わる仕組み」
では、経営者は何から始めればよいのでしょうか。
大切なのは、顧客の声を集めることそのものではありません。
すでに多くの会社には、顧客の声が存在しています。
口コミ、アンケート、問い合わせ、クレーム、現場スタッフへの一言、予約時の要望、キャンセル理由。
顧客の声は、日々の業務の中にすでにあります。
問題は、それらが経営改善につながる形で整理されていないことです。
そのため、経営者が作るべきなのは、次のような仕組みです。
まず、現場で起きた顧客の不満を記録する仕組み。
次に、その不満を定期的に経営者や責任者が確認する仕組み。
そして、繰り返し起きている不満や、利益への影響が大きい不満を優先して改善する仕組み。
さらに、改善した内容を現場に共有し、同じ不満が減っているかを確認する仕組み。
この流れができると、顧客の声は単なるクレーム処理ではなく、会社を良くするための情報になります。
顧客の声は、経営者が見るべき「利益改善の入口」
顧客の不満は、できれば聞きたくないものかもしれません。
しかし、そこには会社を良くするためのヒントが詰まっています。
お客様がどこで不便を感じているのか。
どの部分で期待を下回っているのか。
なぜリピートにつながらないのか。
なぜ口コミが伸びないのか。
こうした問いの答えは、顧客の声の中にあります。
そして、その声を現場だけで処理するのではなく、経営者が受け止め、仕組みとして改善していくことで、リピート率向上、解約率低下、業務効率化、スタッフの負担軽減、利益改善につながっていきます。
現場の頑張りは、会社にとって大きな財産です。
だからこそ、その頑張りを「その場しのぎ」で終わらせてはいけません。
現場の頑張りを、会社全体の改善につなげる。
それが、顧客の声を活かす経営の第一歩です。
顧客の声を、現場対応で終わらせないために
Lino Bloomでは、口コミ、クレーム、アンケート、問い合わせ内容、現場スタッフの声などをもとに、顧客の不満や不便を整理し、事業改善・リピート率向上・LTV向上・利益最大化につなげる支援を行っています。
「現場は頑張っているのに、同じ不満が繰り返されている」
「口コミやクレームを経営改善に活かしきれていない」
「顧客満足度を高めたいが、何から見直せばよいかわからない」
このようなお悩みがあれば、顧客の声を経営に活かす仕組みづくりから一緒に整理できます。
現場の頑張りを、会社の成長につなげるために。
Lino Bloomは、顧客の声を活かした利益最大化を支援します。
この記事を書いた人✒️
株式会社Lino Bloom 代表取締役
野村 昭良
航空会社やQRコード決済会社でCXやマーケティング責任者として、お客様の声と徹底的に向き合ってリピート顧客の増加やサービス改善を主導。
現在は、株式会社Lino Bloomを設立し、「顧客の声を活かした利益最大化支援」をBtoC企業を中心に提供している。